- 新卒で接客業を選ぶって実際どう?
- 接客業は辞めた方がいい理由って何?
- 接客業の仕事に就いてみたけどやっぱり辞めたいかも
接客業はキャリアパスが不明確な上に労働条件も恵まれないことが多く比較的不人気な業界です。
そんな業界に私は新卒で飛び込んだ経験があります。
理由は大学の頃から接客のお仕事をしていて意外と好きだなと思っていたからです。
しかし、結果的には1年も経たずに転職という決断をしました。
私の体験談から申し上げると新卒で接客業はたとえ好きだとしても絶対におすすめしないです。
今回はその理由について解説していきます。
新卒で接客業はやめとけと言われる理由とは?
私が新卒で接客業を経験したからこそ、やめとけと言いたい理由は5つあります。
- 長時間労働で体力的にきつい
- 生活水準を維持するのが難しい
- 顧客からの理不尽な要求で心が荒む
- 人間関係のトラブルが多い
- 他店舗への応援がある
- キャリアパスが不明確
それぞれ見ていきましょう。
長時間労働で体力的にきつい
飲食店やコンビニ、ドラッグストアなど接客業といわれる仕事は長時間労働が常態化しています。
長時間労働によって心身の疲弊や健康 問題につながるリスクも高いです。
店長になれば、人員が足りない場合自分がシフトに入ってカバーしないといけないので、朝早くから出勤してラストまで働く・通称「スーパーオール勤務」も珍しくありません。
若い頃はなんとかこなせるかもしれませんが、年齢を重ねてからも続けられるかというとかなり厳しい仕事でしょう。
生活水準を維持するのが難しい
接客業は基本的に給与水準が低いです。
実家暮らしで家賃や生活費が抑えられるならそんなに苦労はしないと思いますが、1人暮らしをしようと思うとかなり大変です。
とてもじゃないですが、貯金する余裕はないと考えた方がいいと思います。
顧客からの理不尽な要求で心が荒む
接客業では、顧客からの理不尽な要求やクレームに対応 する こと が あります。
いわゆるクレーマーやクソ客への対応です。
特に新卒社員の場合は、経験 不足から上手に対応 できず、精神的に追い詰められてしまうことも少なく ありません。
最近は「カスハラ」という言葉が広まり、理不尽なお客様への対策も進められつつありますが、まだまだ厳しい現状です。
理不尽な要求を受けて上に相談しても現場をよく知らない本部はカスハラと判断してくれないことの方が多く、結局は理不尽なお客様も相手にせざるを得ません。
人間関係のトラブルが多い
接客業は、人間関係のトラブルが多い業種として知られています。
実際人間関係は店舗によって当たり外れが大きく分かれることが多いです。
新卒社員の場合は、先輩社員からのパワハラや同僚とのいざこざに巻き込まれることもあります。
また社員であれば、パートやアルバイトの方を指導する立場にもあります。
まだ仕事を完全に覚えていない段階でパートさんに指示を出すのはかなり骨が折れることが多いです。
他店舗への応援がある
接客業の仕事では他店舗への応援も付き物です。
場合によっては遠方に応援に行かされることも少なくありません。
私があまり長く続けたくないなと思った原因の1つでもあります。
キャリアパスが不明確
接客業は、専門スキルを身につける 機会が少なく、キャリアパスが不明確であることも多いです。
仕事内容がレジ打ちや品出しなど単純な作業になりがちなので、役職者などでの経験がないと転職では非常に不利になります。
もちろん、何も役に立つことがないとかと言えばそんな事はないのですが、業界での経験が10年、20年と長くなればなるほど、異業種への転職を考えるのは難しくなると考えた方がいいです。
私は10年後の自分がどんなキャリアを歩んでいるか考えた時に、今の仕事を長く続けていくのは難しそうだなと思ったので早めに転職しようと決意しました。
接客業を辞めて良かったと思うこと4つ
接客業は1年も経たない内に辞めてメーカーの事務に転職しましたが、正直良かったと思うことしかありません。
- 休みが増える・友達と合わせやすくなる
- 収入が増える
- 人とのストレスが軽減される
- 体力的に楽になる
休みが増える・友達と合わせやすくなる
接客業は休みの少ない業界です。
一般的な週休2日のシフト制勤務であれば年間休日105日、会社によってはそれより少ないこともあると思います。
なので、異業種に転職すれば休みが増える可能性の方が高いです。
実際私も今の職場は完全週休2日制で、年間休日は125日あります。
土日祝がお休みになったおかげで友達ともかなり休みが合わせやすくなったなと感じることが多いです。
収入が増える
接客業は業界の仕組み上、高い給料は目指しにくい世界です。
実際転職サイトdodaが発表している「業種分類別の平均年収ランキング」を見てみると一目瞭然です。
業種分類 | 全体の平均年収 |
---|---|
金融 | 469万円 |
メーカー | 466万円 |
総合商社 | 464万円 |
IT/通信 | 446万円 |
建設プラント/不動産 | 432万円 |
専門商社 | 424万円 |
インターネット/広告/メディア | 423万円 |
メディカル | 408万円 |
サービス | 377万円 |
小売/外食 | 359万円 |
そのため異業種に飛び込むだけでも収入が増える可能性が高くなります。
人とのストレスが軽減される
接客業ではお客様からの心ない言葉やスタッフ同士の人間関係で大きなストレスを感じることが多いです。
実際、接客業をやっているとそんな人間がいるのかと思う程理不尽な要求をしてくる方も少なくありません。
そのため、理不尽なクレーム対応や社員に当たりの強いパートさんとのしがらみから解放されるだけでも仕事が快適に感じられる可能性が高いです。
接客業疲れにより人と関わるのがしんどく感じている方は離れてみることで仕事の楽しさが思い出せるきっかけになるかもしれませんよ。
体力的に楽になる
接客業は想像以上に体力を使うお仕事です。
仕事中はずっと立って作業しなければいけませんし、品出しの際は重たい荷物も持ち上げる必要があります。
お店で動きすぎて帰ったら動けない、休日も体力を回復させるのでやっとの状況の方もいるのではないでしょうか。
そんな方はもう少し労働条件の良い職場に転職してみると感動すると思いますよ。
私も接客業から事務職に転職した時は体力的なしんどさが無さすぎてびっくりしました。
労働条件が整うとプライベートも充実させやすくなるので、接客業に強い思い入れがない方は早めに転職を検討してみるのがおすすめです。
接客業から離れたい人におすすめの転職先3選
私も接客業を辞める際は非常に悩みました。
今まで働いて特に身に着いたスキルもなければ活かせそうな経験もなかったからです。
そこで転職エージェントに相談してみたのですが、実は接客業から異業種への転職を成功させている方は結構多いそうです。
異業種への転職は20代など若い人程成功しやすく、年を重ねてしまう程難易度が上がってしまいます。
年齢を重ねれば、よりその業種での経験が重視されるようになるからです。
そのため可能ならば若さ故のポテンシャル重視での内定が狙える第二新卒の内がチャンスです。
実際私が転職エージェントに相談した時におすすめされた業種は以下3つでした。
- 事務職
- 製造職
- 営業職
事務職
接客業から異業種への転職で最も多いのは事務職です。
一日中立ち作業の続く接客業と比べると事務職は座って作業することの多い仕事のため、肉体的な疲れがかなり軽減されます。
私も接客業からメーカーの事務職に転職しましたが、休みも取りやすいですし長時間労働に悩まされることも少ないです。
事務職は人気が高い分、求人を見つけるのがなかなか難しい面もありますが、転職エージェントに相談すると求人を紹介して貰いやすいですよ。
製造職
接客業を辞めたい人におすすめされる業種としてもう1つ挙げられるのが製造職です。
製造職であれば、接客業特有のギスギスした人間関係から解放される可能性が高いです。
面倒なお客様の対応やクレームの処理などやる必要もないので、精神的な負担もかなり軽くなると思います。
大手企業の製造業であれば、ボーナスも6~7か月分出る所も珍しくないので、年収アップも狙えますよ。
営業職
お客さんとコミュニケーションを取ったり商品を売るのは好きだという方は営業職に飛び込んでみるのもおすすめです。
営業職に転職すれば、接客業特有の長時間労働によるストレスから解放される可能性が高いです。
接客業時代に培った商品提案力やカウンセリング力なども活かすことができます。
販売で成果を残した実績がある方は営業職に転換してみることで大幅な年収アップを狙うこともできますよ。
接客業を辞めるかどうかの判断基準は?
接客業を辞めるかどうかの判断基準はなかなか難しいですよね。
実は私も接客業が嫌いだったわけでもなければ、今すぐ辞めたいと思う程深刻な悩みがあったわけではありませんでした。
転職する前の私の状況
- 収入には比較的満足していた(手取りで21万ぐらい)
- 人間関係で大きな悩みはなかった(むしろいい人ばかりで居心地が良かった)
- 会社も自分の仕事振りを評価してくれていて悪い会社ではないなと思っていた
転職前に不満だったこと
- 平日休みだと友達との予定が合わせにくい
- 体力的にしんどい
- 今の仕事を続けてもスキルは身につかないし、転職市場での価値も上がらない
- 体育会系な社風で研修に行くのがかなり苦痛
- 店長や管理職になったら割に合わなそう
転職しないならしないでも良かったのですが、決断に至ったきっかけは転職エージェントとの無料カウンセリングでした。
エージェントの方から
- 第二新卒の今ならもっと条件の良い会社に転職できる可能性が高い(紹介できる求人がいくつかある)
- 業界での経験が長くなる程、その業界を抜け出すのが難しくなる
という話を聞いて、やっぱり早く転職しようと決めることにしました。
実際求人内容を見る限りでも、第二新卒を歓迎しているホワイト企業も多かったです。(多分エージェントが厳選してくれていたのだと思いますが)
どんな業界を選んだらいいか分からないという場合でも転職エージェントの無料カウンセリングを受けると親身に相談に乗って貰えます。
その相談内容から自分に合った求人を紹介して貰えるので、転職自体は思ったよりも難しくありませんよ。
接客業を辞めるかどうか迷っている方はとりあえず転職エージェントに今の状況を話してみて本当に転職した方がいいのかどうか相談してみるのもおすすめです。
接客業から今すぐにでも離れた方がいいのはどんな人?
以下のような状況に当てはまる方は躊躇しないで早めに転職しましょう。
- ストレスで心身に支障を来している人
- 体調を崩しがちになっている人
- 将来に不安を感じている人
ストレスで心身に支障を来している人
ストレス耐性の無い人は接客業に向いてないといわれることが多いです。
接客業は他の業種と比べても格段にストレスに晒される機会が多いからです。
- お客様の対応に追われる
- 面倒なお客様相手でも常に笑顔でいる必要がある
- 上(本部や上司)下(パートさん達)からも強く言われることがある
上記のようなことが原因で心身に支障を来し辞めていく人も多いです。
体を壊してしまってから辞めると社会復帰するのも大変ですので、可能なら壊れてしまう前に離れましょう。
体調を崩しがちになっている人
体調を崩しがちになっている人も早めに離れる決断をした方がいいでしょう。
接客業を続けていくにはどうしても体力が必要な場面が多いからです。
店長になって人手が足りない状況などに直面すれば、朝から夜まで通しでの勤務もザラにあります。
体調を崩して仕事を休めば自身の評価も下がりますし、給与にも響いてきます。
体力的に自信がなくて体調を崩しがちになっている方は早めに転職する決断をした方がいいでしょう。
将来に不安を感じている人
接客業自体が嫌ではないけれど、将来に漠然と不安を感じる人も早めに離れた方がいいと思います。
なぜなら小売・飲食などのサービス業は給与水準が低いので、キャリアアップしてガンガン収入を上げていこうと考えるには向いてないからです。
それに誰でもできる単純な業務が多いので、専門的なスキルは身に付きません。
そのためまだ若くて色んな業種にチャレンジできる状況なのであれば、一度違う世界に足を踏み込んでみた方がいいと思います。
おわりに:若いなら接客業にこだわる必要はない
今回は新卒で接客業への就職を検討している方や長く続けるか迷っている方向けに個人的な考えを書いてみました。
接客業はやめとけと言われる理由
- 長時間労働で体力的にきつい
- 生活水準を維持するのが難しい
- 顧客からの理不尽な要求で心が荒む
- 人間関係のトラブルが多い
- キャリアパスが不明確
私自身接客業が好きだったので新卒の就職先として選びましたが、早い段階で転職を決断しています。
やはり体力的にしんどい仕事なので、年齢を重ねてからも続けられるかと考えたら難しそうだなと思ってしまったからです。
それよりは異業種に飛び込んで好条件な環境でスキルも経験も積んでいけた方がいいのかなと思います。