「コンビニバイトは楽」というイメージは過去のもの。
特にローソンは、マチカフェ、Loppi、からあげクンなど、覚えるべき業務が非常に多岐にわたります。
「慣れるまでがきつい」と感じる新人は多いでしょう。
本記事では、大学生の間に4年間ローソンでバイトしていた筆者が、新人が直面する「覚えること」を完全リスト化します。
レジ操作から揚げ物調理、発注のコツまで、実体験に基づき徹底解説。
半年かかった筆者の経験談とともに、あなたがローソンバイトの初期の壁を乗り越えるための具体的な道筋をお伝えします。
ローソンバイトで覚えること一覧：業務カテゴリ別まとめ
ローソンでのアルバイトは、多種多様な業務を一人でこなす「マルチタスクのプロ」になることを意味します。
ここでは、特に新人の方が最初に覚えるべきこと、そして「きつい」と感じやすいポイントをカテゴリ別にリストアップします。
レジ・接客業務：基本にして最大の壁
お客様と対面する最前線であり、最もミスが許されない業務です。
レジ操作の基本
- タッチパネルの配置： 各種サービスや割引、商品のカテゴリ（FF、タバコなど）がどこにあるか瞬時に判断する。
- ポイントカード： Ponta（ポンタ）とdポイントの2種類に対応する。どちらを提示されたか、リーダーに通したか、ポイントを利用するかなど、流れを覚える。
- 各種決済方法： 現金、クレジットカード、電子マネー（楽天Edy、WAON、iDなど）、QRコード決済（PayPay、LINE Pay、d払いなど） の専用操作と端末の違い。
タバコの銘柄・番号
- 膨大な種類があるため、人気銘柄（メビウス、セブンスター、マルボロなど）から優先して覚える。
- ローソンではレジ裏の棚に番号順で陳列されていることが多いため、番号と銘柄を一致させる練習が必須。
公共料金/収納代行
- 電気・ガス・水道・通販代金などのバーコードをスキャンし、受け取った金額を確認する。
- 領収書（お客様控えと店舗控え） の発行手順。金額が大きく、再発行ができないため、ミスが許されない緊張感を伴う。
Loppi（ロッピー）関連サービス
- Loppiで発券されたバーコードの読み取り。
- チケット発券（コンサート、映画など）、Amazon受取（レジ会計型）、各種イベントの支払いや予約受付など、レジでの最終確認と会計手順。
袋詰め・確認事項
- 温かい商品と冷たい商品を分ける（アイスや弁当と、揚げ物など）。
- 箸、スプーン、ストロー、フォークの有無を確認し、必要な分だけ提供する。
商品補充・陳列業務：効率が求められる作業
お客様がスムーズに商品を選べるように、売り場を常に整える業務です。
フェイスアップ（前出し）
- 棚の手前にある商品が売れたら、奥の商品を手前に引き出す（陳列をきれいに見せる基本作業）。
- 飲料、お菓子、カップ麺、全ての商品で実施。
品出し・検品
- 納品されたダンボールを開け、数が合っているかを確認しながら棚に陳列する。
- 特に飲料は重く、冷蔵庫に入れる作業は体力が必要です。
消費期限・賞味期限チェック
- 期限切れの商品を出さないために、日配品（牛乳、ヨーグルトなど） や FF（ファストフード） の日付を定期的にチェックする。
- 期限が近いものを手前に配置する「先入れ先出し」の徹底。
廃棄（ロス）処理
- 期限切れの商品を専用の端末で処理し、廃棄棚に移動させる（廃棄商品の計上と管理）。
発注（慣れてから）
- 専用のハンディターミナルを操作し、商品の売れ行きを予測して仕入れる。
- 「雨の日はカップ麺が売れる」「週末はビールが増える」など、天候や曜日による売れ筋を覚えることが重要。
FF（ファストフード）業務：ローソン独自の「手作り感」が魅力だが…
ローソンの強みの一つですが、調理や衛生管理が必要なため、覚えることが多い業務です。
Lチキ・からあげクン（揚げ物）の調理
- 専用の冷凍庫から取り出し、タイマーや温度設定をしてフライヤーで揚げる手順。
- 揚げすぎず、生焼けにならないようにする管理。
- 油のろ過（清掃） や定期的な交換。
パック詰めと陳列
- 揚げたての商品を正しいパックに詰め、陳列タイマー（販売期限） をセットしてショーケースに並べる。
- 常に揚げたてを提供するために、商品の売れ行きを見ながら追加で揚げる判断（在庫予測）が必要。
マチカフェ（MACHI cafe）の操作・管理
- コーヒーマシンの操作： ホット、アイス、カフェラテなど、メニューごとのボタン操作とカップの使い分け。
- 豆・ミルクの補充： マシンが切れないように適宜補充する。
- 清掃： ノズルやトレイの定期的な洗浄（衛生管理が厳しいため）。
まちかど厨房（店内調理）
- （店舗による）店内で調理・盛り付けを行う弁当やおにぎり、サンドイッチの取り扱い。
- ラベル貼り、販売期限管理。
事務・その他業務：裏側で支える作業
お客様の目には見えない部分ですが、店舗運営に不可欠な業務です。
清掃業務
- フロアやトイレ、ゴミ箱の清掃。
- 特にレジ周りの消毒やFFケースの清掃は、清潔感を保つために徹底する。
レジ締め（日次報告）
- 一日の売上を計算し、レジ内の現金の過不足がないかチェックする。
- 専用端末に売上を入力し、本部に日次報告を送信する。
宅配便（ゆうパック）受付
- 荷物のサイズ・重量を計測し、料金を確定させる。
- 伝票の記入漏れがないか確認し、お客様に尋ねるべき事項（割れ物など）を把握する。
制服・衛生管理
- 清潔な制服の着用、手洗い・消毒の徹底など、食品を取り扱う上での基本的な衛生管理ルール。
筆者が「きつい」と感じたローソンバイトの初期の壁 TOP3
大学生の間に4年間ローソンで働いていた筆者ですが、特に最初の半年間は、業務の多さとスピード感についていくのに必死でした。
ここでは、当時の筆者が最も「初期の壁」と感じた3つのポイントを挙げます。
【第1位】レジでの「次の操作」を予測する瞬発力
コンビニのレジは、単なる商品のバーコードを読み取る場所ではありません。
お客様との対話を通じて、同時に5～6個の判断と操作を瞬時に行うことが求められます。
これが、初期の最大の壁でした。
- 商品スキャン中に「ポイントカードはありますか？」と尋ねる。
- 「dポイントで」と言われたら、決済方法ではなくポイントカードのボタンを押し、カードリーダーに誘導。
- 合計金額が出た瞬間に「袋は分けますか？」と尋ね、袋のサイズを判断して打ち込む。
- 「温めますか？」と聞き、温めと袋分けを同時に行う。
- お客様がタバコを注文した場合、銘柄確認と番号入力も加わる。
特に、お客様の「次の行動」を予測して、先に手を動かすスピード感がきつく、慣れるまではお客様を待たせてしまうことが最大のプレッシャーでした。
【第2位】FF（ファストフード）の在庫管理と調理の同時進行
ローソンのFF（ファストフード）は Lチキやからあげクンなど人気商品が多く、常に揚げたてを提供することが求められます。
しかし、レジと調理を同時に行う時間帯の多忙さは想像以上でした。
- フライヤーのタイマーが鳴って、揚げ物を取り出す作業中に、レジに行列ができ始める。
- 「マチカフェ」の注文が入るが、手が油で汚れているため、すぐにコーヒーマシンに触れない。
- 揚げ物の在庫が切れているのに、レジが忙しくて揚げ始められず、お客様から「からあげクンまだ？」と聞かれる。
レジの状況、FFの売れ行き、調理にかかる時間、そして在庫（廃棄ロス）のリスクを同時に頭の中で計算し、「いつ、何を揚げるか」を判断する予測力を身につけるのに苦労しました。
【第3位】棚卸し・発注のルール：ローソン独自のシステム理解
商品がどこに何個あるかを把握する「棚卸し」と、専用端末を使った「発注」は、慣れるまで専門用語と複雑な操作に悩まされました。
ハンディターミナルの操作
専用のハンディターミナルの操作方法を覚えるのが一苦労でした。
特に棚卸しモード、発注モードへの切り替えや、修正操作が分かりにくい。
「先入れ先出し」（消費期限が近いものを手前に）を徹底しながら行う棚卸し作業は、集中力が必要です。
発注数のセンス
商品の売れ行きデータを見るものの、自分の店舗の「発注数の適正値」が最初は全く分かりませんでした。
天候や近隣イベントを考慮して、発注数を調整する「読み」を身につけるまでは、商品を多めに発注して廃棄（ロス）を出したり、少なく発注して品切れを起こしたりと、失敗の連続でした。
元ローソン店員が教える！覚えるための効率的なステップと期間
ローソンバイトは確かに覚えることが多いですが、効率的なステップを踏めば必ず乗り越えられます。
ここでは、筆者が実際に経験した覚えるまでの期間の内訳と、効率化のための具体的なコツをご紹介します。
筆者が覚えるのにかかった「半年」の内訳
筆者は週3日、1日3時間という頻度（週に合計9時間勤務）だったため、業務の習熟に比較的時間がかかりました。
| 期間 | 業務内容 | 習熟度 |
|---|---|---|
| 1ヶ月目 | レジ基本操作、袋詰め、商品場所の把握 商品のバーコードスキャン、温め、袋分け、基本的な会計処理、人気のタバコ銘柄（約10種）を優先的に覚える。 |
70% |
| 2～3ヶ月目 | 公共料金・Loppi、FF（ファストフード）の基本 公共料金の受付手順、Loppi発券のレジ操作、からあげクンなどの揚げ物調理とパック詰め、マチカフェの基本操作。 |
50% |
| 4～6ヶ月目 | 複雑なサービス、締め作業、簡単な発注 ゆうパック受付、複雑な返品・返金処理、日次締め作業（レジ締め）の手順を習得。日配品などの簡単な発注補助を開始。 |
70% |
| 半年以降 | 効率化、主要発注業務、新人指導 業務の優先順位付け、混雑時の対応スピード向上、メインとなる発注業務を任されるようになる。 |
90% |
この内訳からわかる通り、最初の3ヶ月で基本的な「レジとFF」をマスターし、次の3ヶ月で「サービスと締め作業」という、段階的な習得が必要でした。
ローソンバイトを効率的に覚えるための3つのコツ
覚えることを減らすのではなく、効率よくインプットするための筆者流のコツです。
- メモはカテゴリー別で分厚く作る！
- 分からないことは「すぐに聞く！」
- 「ゴールデンタイム」を作る！
メモはカテゴリー別で分厚く作る！
ローソンバイトの業務は多岐にわたるため、すべてを頭に入れるのは不可能です。
そこでおすすめなのが、業務カテゴリー別にインデックスをつけた自分専用の「虎の巻」メモ帳を作成することです。
レジ、FF（調理）、裏方（締め作業・発注）など、業務の性質ごとにページを分けましょう。
特に重要なのは、**手順の「分岐点」**を具体的に書き留めることです。
例：「公共料金のバーコードが読み取れない場合の手動入力手順」「タバコの銘柄を間違えた際の修正方法」など、トラブル対応策までを網羅することで、現場で焦ることなく対応できます。
この分厚いメモ帳こそが、新人時代を乗り切るための最大の武器となります。
分からないことは「すぐに聞く！」
コンビニ業務、特に金銭や公共料金に関わる処理、あるいはLoppi関連の複雑なサービスは、自己判断で操作すると致命的なミスにつながりかねません。
「お客様を待たせてしまうから…」と遠慮しがちですが、分からない操作を勝手に進めてしまい、レジの金額が合わなくなったり、お客様の支払いが正しく完了しなかったりする方が、店舗とお客様にとって大きな損害です。
新人のうちは、「すみません、確認します」とすぐに先輩や社員を呼びましょう。
先輩も新人が戸惑うことは織り込み済みです。
質問する際は、「〜までやったのですが、ここから分かりません」と、自分の理解度を伝えながら聞くと、先輩も教えやすくなります。
「ゴールデンタイム」を作る！
ローソンバイトで最もきついのは、混雑時のマルチタスクです。
しかし、お客様が少なく業務が落ち着いている時間帯、つまり「ゴールデンタイム」を有効活用することで、習熟度が劇的に上がります。
ゴールデンタイムとは、早朝や深夜、平日のアイドルタイムなど、店舗によって異なります。
この時間帯こそ、発注用のハンディターミナルの操作練習や、廃棄処理、複雑なサービス（ゆうパックなど）のシミュレーションを行うチャンスです。
先輩に「今、何か練習できる裏方作業はありますか？」と積極的に尋ね、マニュアルを読みながら実際に手を動かしましょう。
この裏方での練習が、混雑時にレジで焦らないための土台となります。
【ローソン特有】OFC（オペレーションフィールドカウンセラー）による指導について
ローソンで効率よく、かつ正しい方法で業務を習得する上で、OFC（オペレーションフィールドカウンセラー）の存在は無視できません。
OFCとは、本部から各店舗へ巡回し、経営指導やオペレーション指導を行う専門家です。
彼らはローソン全店の成功事例や最新の業務改善ノウハウを熟知しています。
なぜOFCの指導が重要か
- 最新のオペレーションの伝達: 季節ごとのフェアや新サービス導入時など、最新かつ最も効率的な作業手順（オペレーション）を直接店舗に伝達します。
- 客観的な視点での改善: 店長や先輩は日々の業務に追われがちですが、OFCは第三者の視点から「このやり方だと時間がかかりすぎている」といった問題点を見つけ出し、改善策を提案します。
- 発注・品揃えのアドバイス: 地域の特性や競合店の状況を考慮した、より売上につながる発注計画や**棚の配置（レイアウト）**について指導を行います。
新人アルバイトがOFCと直接話す機会は少ないかもしれませんが、OFCが店舗に来た際は、彼らの指導内容が店長や先輩を通じて必ず共有されます。
その指導内容をしっかり確認し、日々の作業に取り入れることが、店舗全体の効率化、ひいてはあなた自身の業務習得の近道となります。
まとめ
ローソンバイトは、確かに初期に覚えることが多いです。
レジ・FF・サービスの複雑なマルチタスクが新人の大きな壁となります。
しかし、4年間勤務した筆者の経験から言えるのは、最初の壁を乗り越えれば、ローソンバイトは非常にやりがいのある仕事になるということです。
マルチタスク能力や問題解決能力は、確実に社会で役立つスキルとなります。
筆者は週3日勤務で約半年かかりましたが、覚えるまでの期間は、シフトの頻度、勤務時間帯、そして個人の適性によって大きく異なります。
週5日勤務ならもっと早く慣れますし、夜勤専属なら業務範囲が狭まります。
焦らず、メモと質問を武器にして、最初の数ヶ月を乗り越えてください。
