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ドラッグストア店員の愚痴。濫用の恐れのある医薬品の声かけ・接客がきつすぎる件

ドラッグストア店員の愚痴。濫用の恐れのある医薬品の声かけ・接客がきつすぎる件

濫用の恐れのある医薬品に関しては、お客様への声掛けが義務付けられていますが、その現場は想像以上に複雑で、様々な悩みが渦巻いています。

お客様との間に壁を感じたり、時には感情的な衝突に発展したりすることも。

今回は濫用の恐れのある医薬品の声かけによって現場がいかに悲惨な状況になっているのか綴ってみました。

目次

ドラッグストアでの濫用の恐れのある医薬品の声かけって何?

ドラッグストアで働いている方なら今や知らない人はいないと思います。

消費者として来店している方も最近ドラッグストアで風邪薬など購入しようとすると登録販売者から説明を受けることがあるのではないでしょうか。

実はそれら医薬品には濫用の恐れのある成分が含まれているため、資格者による声掛けを行うことが行政の指示の下、義務化されているからなのです。

  1. エフェドリン
  2. コデイン
  3. ジヒドロコデイン
  4. ブロムワレリル尿素
  5. プソイドエフェドリン
  6. メチルエフェドリン

義務化された背景にはここ最近若者による医薬品の過剰摂取(オーバードーズ)社会的な問題になっているからだと言われています。

ただ、オーバードーズになるほど摂取する方は極少数派なので、殆どの方は関係のない話だと思いますが、その少数の方々の安全を守るために全ての人への声かけが義務化されてしまっているわけです。

お買い物にくるお客様からしても非常に煩わしい話だと思いますし、現場でも資格者は日々悲鳴を上げている状況が続いています。

ではこの声掛けの何がそんなにきついのか。

ドラッグストアの現場で登録販売者として働いている人間の視点から少し愚痴っぽくなりますが、悲惨な現実を解説していきます。

ドラッグストアでの濫用の恐れのある医薬品の声かけの何がきついのか?

濫用の恐れのある医薬品の声掛けが始まって何がそんなにきつくなってしまったのか。

今回は特に悲惨な4つの事例を紹介します。

  • お客様の中には感情的にキレてくる人もいる
  • 資格者が少ないと勤務中常にシャトルラン状態(仕事になりません)
  • 接客中でも呼ばれるため推奨販売に集中できない
  • 対応中だとお客様を長時間待たせることになる

お客様の中には感情的にキレてくる人もいる

お客様の中には濫用の恐れのある医薬品の声掛けを行うと感情的にキレてくる方が一定数います。

  • 急いでいるからいちいち時間を取るな
  • お前の説明なんて聞かなくても分かっとる
  • 毎回毎回うるさい。誰の指示でそんな無駄な事してるんだ?
  • 私医療関係者だから説明聞かなくても分かりますけど?名刺見せましょうか?

業界内では非常に重要な話題ですが、世間ではそこまで広まっていません。

だからなのか、いちいち説明を聞かないといけないことに腹を立てる方が一定数いらっしゃるんです。

中には

「本部と行政に苦情を入れるから連絡先を教えてくれ。あんた達も大変やろ。」

と言ってくる方もいました。

たしかに私達も感じている事ですが、こんな声掛け真面目に用法容量守って服用しているなら全く心配のいらない事ですからね。

いちいち声を掛けられるのがムカつくのも納得できる気がします。

資格者が少ないと勤務中常にシャトルラン状態(仕事になりません)

私が勤務していた店舗ではほとんど毎日資格者(登録販売者)1人の状態での営業を強いられていました。

だからお客様が濫用の恐れのある医薬品を購入する度にレジに向かってお声掛けしなければいけません。

社員なのでレジ以外にも様々な業務を抱えながら動いている状態で毎回毎回お客様が風邪薬など購入する度にレジまで走らないといけない状態は非常に過酷です。

資格持ちのスタッフを増やさないのは会社の問題でもありますが、濫用の恐れのある医薬品を購入する全てのお客様に対して必ず資格者が対応しないといけない状態は流石に厳し過ぎないかと思わざるを得ません。

説明を求めるお客様や複数個購入しようとするお客様だった場合のみ資格者が対応する形ならもう少し余裕を持って仕事ができそうですが、今の環境だととても仕事にならないです。

接客中でも呼ばれるため推奨販売に集中できない

濫用の恐れのある医薬品を購入するお客様が現れたらたとえ接客中であろうとレジに走らなければいけません。

そのためとてもじゃないですが、会社の求める推奨販売に集中できる環境ではありませんでした。

化粧品を販売するために接客している時でも医薬品の声掛けで呼ばれればそちらが優先です。

接客中のお客様をお待たせすることになり、結果的に販売チャンスを逃してしまう事もかなりありました。

対応中だとお客様を長時間待たせることになる

逆に濫用の恐れのある医薬品を購入しようとするお客様を長時間お待たせすることも多々ありました。

例えば電話の対応中です。

医薬品以外の接客であれば他のスタッフと交代してレジに向かうことができますが、電話での対応中はなかなかそうもいきません。

電話対応が終わるまでお客様をレジで待たせることになるため、怒りを露わにするお客様もいらっしゃいました。

これに関してもやはり資格者スタッフを増員しない会社が悪いのが1番ですが、濫用の声掛けが始まる以前はこんな事なかったのになと思うばかりです。

過酷な濫用の恐れのある医薬品声掛け問題をどう乗り切る?

これだけ過酷な環境で働く事を強いられる登録販売者は、無資格のスタッフと比べると負担が大きすぎると思います。

そのため、勤務する上でも工夫が必須なのではないでしょうか。

  • 資格者が常にレジに入っておく
  • 売場作りに力を入れる
  • 登録販売者の多いドラッグストアに転職する

資格者が常にレジに入っておく

1番手っとり早い対策になったのは資格者が常にレジに入っておくことです。

私は社員だったので自分でシフトを管理していたのもあり、自分が出勤している時間は基本レジ、お客様の少なくなった時間帯で店舗指示などやるようにして負担を減らしていました。

品出しなどは無資格のスタッフさんに丸投げ状態になるので申し訳なさもありましたが、他のスタッフさんも

「医薬品の声掛けの度に○○さんを呼ぶのが気の毒過ぎて・・・」

ということで協力して貰ってました。

ずっとレジにいるのもなかなか辛いですが、医薬品の声掛けの度にレジと売場をシャトルランするよりは断然マシだったので資格者の方は普段シフトを作っている人に相談してみてもいいかもしれないですね。

売場作りに力を入れる

売場作りに力を入れていたのは推売に時間が割けないのが分かっていたからです。

売場で時間を掛けて販売できる程人員に余裕がなかったので、とにかく自然に売れる状態になるよう売場作りにはこだわっていました。

そのおかげもあってか他の店舗に比べるとキャンペーンやコンクール実績は良かったように思います。

登録販売者の多いドラッグストアに転職する

これは最終手段ですが、登録販売者の多いドラッグストアに転職するのも1つの手です。

当然といえば当然ですが、登録販売者1人の状態で営業を強いられるお店よりも登録販売者が常に3~4人いる状態で働けるお店の方が圧倒的に働きやすいです。

私がこれまで見てきた経験上ですが、資格者の在籍数は企業によって全然違います。

登録販売者が多いかどうかの判断基準として分かりやすい例が2つあります。

  • 会社が上場しているか
  • 営業時間の長さ

基本的に企業が上場を果たすためには会社の内部体制もしっかり整えておかなければ、審査を通過できません。

そのため上場を果たしている企業は登録販売者の人員にも余裕を持って営業できるよう対策を取っているはずです。

そして上場よりも重要なポイントが営業時間の長さです。

例えばですが、24時間営業のドラッグストアと10時~21時までのドラッグストアではどちらが資格者の数に余裕がありそうでしょうか。

どう考えても後者ですよね。逆に24時間営業のお店で常時資格者を配置するのはかなりきついと思います。

つまり営業時間の長い企業と短い企業であれば、短い企業の方が資格者の配置に余裕を持って営業できている可能性が高いということです。

濫用の恐れのある医薬品声掛けが辛すぎて辞める登録販売者も多い?

私の会社では、濫用の恐れのある医薬品声掛けが始まってからかなりの数のスタッフが退職していました。

社員・パートなど勤務区分問わず資格者の方で退職する方が非常に多かったです。

退職理由はほとんどの方が口を揃えて

  • 今の業務負担でこの時給なら割に合わない
  • 資格者1人でこの状態では休憩もまともに取れない
  • 資格者を増やして欲しいと会社に訴えても全く改善されない

と話していました。

もちろんドラッグストアの仕事自体が嫌なわけではないので、同業界で転職先を探している方が多かったです。

この事から今後はドラッグストア業界の二極化が進んでいくのではないかと個人的に考えています。

労働環境を整えないドラッグストアは生き残れない?

ドラッグストアは今や腐るほど沢山の企業が存在しており完全に飽和状態です。

新しい市場が作られているというよりは元々存在している市場を各企業同士で取り合っている状態だと思います。

そのため各社現場の労働環境よりも新店開発に躍起している状態ですが、現場の声を無視していては今後生き残るのは難しいのではないでしょうか。

私の会社が良い例ですが、退職した方のほとんどはドラッグストアの中でもより労働条件の整った会社に転職しています。

元々資格者の補充が足りないが故に起こった問題で、それを対策しないがために状況がさらに悪化している状態です。

この傾向が続くとやはりドラッグストア業界の二極化は避けられないのではないでしょうか。

医薬品登録販売者の転職先は意外と多い!

登録販売者の知識や経験は、様々な職種で活かすことができます。

私の場合は登録販売者の経験と病院で管理栄養士をしていた頃の経験を評価されて、食品メーカーの商品開発職に転職することができました。

転職した結果、土日祝日休めるようになった上にワークライフバランスも充実してとても満足しています。

登録販売者の経験は別業種の転職に活かしにくいと思うかもしれませんが、視点を変えれば意外と色んな職種が選択肢として狙えますよ。

調剤薬局の事務

登録販売者の経験を活かし、薬局の運営を支える重要な役割を担うことができます。

医薬品の知識はもちろん、患者様とのコミュニケーション経験も活かせます。

具体的には、レセプト業務や薬歴管理、来局された患者様への対応などが主な仕事内容です。

薬剤師と連携しながら、患者様の健康に貢献できるやりがいのある仕事と言えるでしょう。

製薬会社のMR

登録販売者として培った医薬品の知識を深め、医療現場で活躍したい方におすすめです。

医師や薬剤師に対して、自社製品の情報を提供し、医療現場での採用を促進するのが主な仕事です。

医療現場の最前線で、新しい薬の情報をいち早く知り、患者様の治療に貢献できるという魅力があります。

高度な専門知識が求められますが、成長できる機会も豊富です。

健康食品・化粧品メーカーの営業

登録販売者として培った健康に関する知識や、お客様への説明スキルを活かして、健康食品や化粧品を販売する仕事です。

小売店やドラッグストアを訪問し、商品の魅力を伝え、売上目標達成を目指します。

お客様の健康や美容に関わる商品を取り扱うため、やりがいを感じやすい仕事です。

また、人とのコミュニケーションを大切にする仕事なので、人と話すことが好きな方に向いています。

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転職活動が初めての方は自分の強みを知る意味でもぜひ活用してみてください。

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