ドラッグストアへの就職を考えている方の中には
やっぱり販売ノルマとか課せられるのかな
ノルマを達成できないと自腹切って買わないといけないのかな
こんな風に悩む方も多いと思います。
そこで今回はドラッグストア社員の販売ノルマと自爆購入の実態について赤裸々にまとめてみました。
ドラッグストアはノルマがきついからやめたほうがいいは本当?
ドラッグストアであれば、基本的にどの会社を選んでも販売ノルマが付き纏います。
今のご時世だと社員にノルマを課すのは不適切という声も多いので、社内では「ノルマ」ではなく「目標」として表現されることが多いでしょう。
この目標達成のためにドラッグストア業界では各社、社員の推奨販売に期待しているわけです。
目標なら達成できなくてもいいのでは?
販売ノルマはあくまで目標です。
そのため、達成できなかったらできなかったで済むのでは?と思いますよね。
実はここがドラッグストア業界の闇であり、多くの人が辞めようと決意するきっかけになる部分でもあります。
理由は大きく3つです。
- 強制的に達成させるよう圧を掛けられる
- 達成できなかった場合賞与や評価に響く
- 販売目標のある商品が多すぎる
上記はあくまでも私が以前勤めていた会社での話です。
業界内でも1、2を争うブラック企業だったので、ここまで酷い会社はないと思いますが、ここでは最悪を想定して少し怖い話をしていきます。
強制的に達成させるよう圧を掛けられる
目標未達で終わることは非常にまれです。
- 目標達成までの金額が遠すぎる(残り20万以上足りない)など
- 店長・エリア長がやる気ない
など余程の理由がない限り
「絶対に達成させてください」
と圧を掛けられ渋々購入することになります。
1番やばい人だとキャンペーンのために月15万円近く注ぎ込んでいる方もいました。
達成できなかった場合賞与や評価に響く
達成できないと賞与や評価に響きます。
この評価は店舗毎なので、やる気のある店長やエリア長の下に就くと結構きついですね。
ノルマ達成のためなら結構な金額足りなくても容赦なく自爆購入を強いられてました。
販売目標のある商品が多すぎる
販売目標のある商品は1つか2つではありません。
毎月10~20キャンペーンあって、それぞれの商品に目標が課せられています。
このキャンペーンでどの商品がポイントになるのか覚えるのも大変ですし、中には
「こんなの誰が買うんだよ!!」
って商品も平気で紛れ込んでいます。
ドラッグストアの販売ノルマって達成させるのはそんなに難しくなさそうだけど・・・
ドラッグストアの販売は一般的な営業職と比べると結構簡単なイメージがあると思います。
私も毎日数千万円の家を売るために街中で声を掛け捲ってる某不動産会社の営業マンに比べたら楽勝だろうと就職する前は思っていました。
ただこれは大きな勘違いです。
目標はアホ程高いし年々上がっていきます
目標は毎月びっくりするぐらい高いです。
例えばある化粧品を例に挙げると、各店舗2か月間で100万~250万円程度の目標を課せられます。
これを達成させるためには1日あたり16,000円~40,000円程度のペースで売っていかなければいけないわけです。
それも世間一般的には全く知られてないような化粧品をですよ。
基本的にドラッグストアで推奨販売品になるのは広告費を掛けていない分利益率のアホ程高い知名度の低い商品です。
その分商品自体の質は高く高級化粧品ではあるのですが、高級だからこそなかなか売れません。
そんな厳しい状況下でアホ程高い目標を達成させないといけないのですから、ドラッグストアの販売員がいかに過酷かお分かりいただけるかと思います。
店舗によってはそもそも推売できる環境じゃない
さらに頭を悩まされるのがお店自体がゆっくり接客できる環境じゃない事です。
ドラッグストアのような小売業界が慢性的な人手不足状態にあることは周知の事実だと思います。
そんな中で毎日品出しに追われながら、レジ応援、発注、お客様対応などもこなしているととてもじゃないですが、売場でチンタラ推売に集中なんてできません。
人手不足のひどい店舗だと2人体制でお店を回すよう強いられることもあります。
こんな逆風もあってドラッグストアでの販売目標達成は非常に険しい道になってしまうのです。
自分の努力だけで達成できるとは思わない方がいいです
もう1つ頭に入れておきたいのが、自分の努力だけではどうにもならないという事です。
稀にめちゃくちゃ推売が上手な社員もいますが、それでも1人の力で目標達成は無理です。
なぜなら自分がずっと出勤しているわけではないから。
自分が出勤している間は上手く工夫して販売できるかもしれませんが、自分が出勤してない時でも売れるような仕組みを作らなければ目標達成は遠のきます。
そのためパートやアルバイトのスタッフにも協力を求める必要があるのです。
もちろん協力的なスタッフもいますが
- なんでパートでそこまでやらなきゃいけないの?
- 私達が頑張った所であんた達の給料が上がるだけでしょ?
と言われてしまう事の方が多いです。
これに関しては配属された店舗の運もありますし、自身のマネジメント力も大きく問われます。
ドラッグストアの社員はノルマ未達だと自腹で買わないといけないって本当?
これは本当に会社によります。
今のご時世だと自爆営業は社会的に大きな問題とされており、自爆営業を法的に禁止とする動きも進められています。
そのため、ほとんどの会社で社員による自爆購入は禁止となっている事が多いでしょう。
しかし、実際に行われていないかといえば、決してそんなことはありません。
私の知る限り、キャンペーン目標達成のためにほとんどの社員が商品を数万円~数十万円単位で毎月自爆購入していました。
一応社内で自爆営業は禁止になっているけど・・・
社内では禁止となっているのになぜこんな事が起こるのでしょうか。
理由は3つあります。
- 目標達成のための購入なのか判断する術がない
- 本部も社員による自爆購入を黙認している
- 買わないと社内での人間関係にも影響が生じる
目標達成のための購入なのか判断する術がない
社員による購入が目標達成のための購入なのか自分で使うから買っているのか本部は管理する術がありません。
自爆営業を禁止とした所で本人が
- 自爆購入ではありません
- 家族や親戚で使っている人がいるので渡します
と言ってしまえば、自爆営業とはならないからです。
もちろん本人もそれが本意ではないでしょうが、仮に本部から問い合わせがあったとしても
上の人からノルマ達成のために買えと言われました。
と答える事はまずないでしょう。
仮にそう答えたとしたら当人も相応の処分を受けるでしょうし、それを指示した社員も処分を受けてしまうからです。
このような理由で社員は目標未達だと買わざるを得ない状況に立たされてしまうわけです。
本部も社員による自爆購入を黙認している
これはあくまで私が勤務していた時に感じた事ですが、本部は明らかに自爆購入を黙認していたと思います。
なぜなら社員による自爆購入を本当に禁止としたいのならいくらでも対策可能だからです。
店舗内には防犯カメラがいくつも付いているので、従業員同士で何かしているのは一目で分かります。
にも関わらず社員による大量の自爆購入を見つけられないわけがあるのでしょうか。
キャンペーン品は社員割引での購入も可能なため、購入履歴からも簡単に分かります。
こんな状況なのに社員による自爆購入の不正が一切発覚しないのは、やはり本部側も自爆営業を黙認しているからなのではないかと感じざるを得ませんでした。
実際お店の販売状況が悪いのは、売場のレイアウトや販促施作を行っている本部にも大きな責任があります。
そう考えると本部社員が自爆営業を厳しく取り締まらないのも納得しますよね。
この辺の対策は経営に携わる役職者の方々が本気で乗り出さないと無くなることはないのではないでしょうか。
買わないと社内での人間関係にも影響が生じる
「目標達成のために推奨販売品を買ってくれ」という指示は基本的に上から飛んできます。
分かりやすく言うとこんな感じですね。
- 部長から課長に圧がかかる
- 課長が各エリアのエリア長に圧を掛ける
- エリア長が各店舗の店長に圧を掛ける
- 店長が一般社員やパートスタッフに自爆購入を募る
驚きかもしれませんが、パートスタッフでも自爆購入の協力を求められる事があります。
もちろんパートの場合、断ればそれで終わりです。
ただ、店長や社員の場合、断るのはまず無理です。
少なくとも最低限の目標達成のための購入は求められます。
店長の上のエリア長もエリア内での達成率何%など目標を定められているからです。
なので仮にその店舗の目標が達成できなければ
その店舗の店長・社員の評価が下がる→そのエリアの達成率が下がる→エリア長の評価が下がる→本部社員の評価が下がる
という感じで連帯責任になってしまいます。
未達が続けば当然ながら同じエリア内の人との人間関係も悪くなってしまいます。
また店舗内でも
店長は沢山販売しているのに私は全然販売してない。このまま未達で終わると店長に申し訳ないし。買うしかないよね。
こんな悩みも当然ながら発生します。
上記のような理由で自爆営業は表向きでは禁止になっても実際にはなかなか無くならない問題となっているのです。
【ドラッグストアの推奨販売】実態は押し売りに近い?
ここまでノルマが厳しいと聞くと実態はほぼ押し売りに近いのでは?と思う方もいるかもしれません。
ただ押し売りになるかどうかは本当に人それぞれです。
売り方は人それぞれ
ただ1つだけいえるのは、販売上手な人で押し売りしている人はなかなかいませんでした。
基本的に推奨販売の目的は悩んでいるお客様に最適な商品を紹介してお客様に感謝されつつ、会社の利益も上げることです。
なのでまずは目の前のお客様の悩みを聞くことを最優先に考えて接客していれば、お客様の方から
「これを買いたい」
と言ってくるのでそんなに難しいものではありません。
ただ悩ましいのはやはりキャンペーンですね。
例えば「疲れ」に聞く商品を探しにきたお客様に商品を紹介する時はどんなに善良な人間でもその月のキャンペーンが頭にチラつきます。
だから
本当はAという商品が最適なんだけど今はBという商品がキャンペーンだからBを売った方がいいよね
となってしまうことはよくあります。
推奨品を販売した人を神のように崇める習慣もありました
あくまで前職での話ですが、推奨品を販売した人を神のように崇める宗教チックな習慣もありました。
多分、ブラック企業ならではですよね。
毎日キャンペーン品の販売状況や好事例などを担当者に報告して、集計結果をメールで一斉配信する感じですね。
今日は○○店の□□さんがAを3つも販売しています。売場で声を掛けて紹介して販売に繋がったそうです。さすがですね。皆さんも○○さんのように頑張ってください。追伸:0実績の報告は聞きたくないので、明日は必ず全店舗1個は販売してください。
毎回見るたびに寒気がしていました。
しかもその日の実績が0だと詰められるので、渋々1個買ってる社員もいました。
こんな環境絶対に普通ではありません。
やっぱりブラック企業って怖いですよね。
【働いてみた感想】販売ノルマ自体が悪いものとは思わない
ここまでドラッグストア業界の闇の部分をお伝えしてきました。
ただ、だからと言って販売ノルマ自体が良くないものだったとは思いません。
推奨品は会社としても販売数を伸ばしたい気持ちがあるのは分かりますし、利益率も格段に高いです。
そのため推奨品の売上が上がれば、会社の成長チャンスも格段に増えると思います。
また、販売目標があることで私達社員のモチベーション維持にはなりますし、新人の頃であれば、商品を覚えるきっかけにもなります。
だから販売目標を無くせば良くなるかというとそれもまた違う話になるのではないでしょうか。
自爆購入自体が決して悪いわけではない
その意味で言うと自爆購入自体も決して悪いものでもありません。
もちろん目標達成のための自爆購入は完全に悪です。
しかし、お客様により商品の魅力を伝えられるよう自分自身が使ってみるという意味で買うのは企業の一社員として働く上では非常に重要な事ではないでしょうか。
お客様を相手にする仕事で1番重要となるのはやはり信頼です。
どんなに良い商品でも目の前の店員の話が説得力に欠けるものだったり、どこか他人行儀な話し方だとお客様も安心して購入できません。
「これ私も使ってるんですけど、めっちゃ良いですよ~!!」
という気持ちの籠った販売トークに勝るものはないと思います。
この辺の考え方を理解した上で、ドラッグストアへの就職を検討したいと考える方なら長く働いていけるのではないでしょうか。
もちろん絶対におすすめはしませんけどね。